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アレグロ・コン・フォーコ

情熱的で速いテキストサイト風ゆるゆるブログ

 

友達が飼っている珍ペット 「イヌ」

バカ

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不思議ないきもの

 

新米の栗ご飯を振る舞ってくれるというので、友人の家に行った。

とれたばかりの丹波栗にヒノヒカリ

楽しみでならない。デザートはきっと栗の渋皮煮だ。

 

14時、約束どおりの時間、大体このあたりのはず。表札を確認する。ここだ。

軒先で見慣れない生き物を飼っている

 

「イヌやで」

 

イヌ、四足歩行の生き物。イヌ、どこかで聞いたことのある響き。

秋の味覚に舌を躍らせている場合ではなくなった。イヌの話を聞かなければ。

 

記事中に動画が貼り付けてあります。

音を出していただけると、より楽しめるようになっております。 

 

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 紐でつながれている

 

―――イヌ、イヌっていうんや〜。珍しいな~。写メ撮っていい?

「ええけどそんな珍しいもんちゃうで。ホンマに犬見たこと無いん?」

 

―――動物園よく行くけどこんなん知らんなあ…ちょっと大きい猫ちゃうん?

「ちゃうわ!」

ーーー珍しいなあ

 

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見た目はキャットフードそのものだ

 

―――これは何食べて生きてるん?

「ドッグフードに決まってるやん」

 

―――ああ、専用の…キャットフードみたいなご飯があるんや!

「猫は知ってるんかい!」

 

猫を知っていてイヌを知らないのはおかしいらしい。

突然に大声を出すものだからビックリした。

ワケのわからない生き物を飼っているし、急に癇癪を起こすし、付き合いを考え直したほうがいいかもしれない。話を進めて判断しよう。

 

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カメラに怯えている様子だった

 

―――で、なんでイヌを飼ってるの?

「普通に可愛いから。なんで、とかそんなもんちゃうねん」

 

―――めずらしい感性やな~

「はあ? あと番犬にもなるしな」

 

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―――バンケン、バンケン?どんな字書くん?

「順番の番に、ケンは犬、大きいに点つけて犬…としか説明のしようがない」

 

―――…番に犬…あっ!

漢字の犬ってこれのことなん!?

 

(右下のスピーカークリックで音声有りに。無限にループします。)

 

ーーー犬のおまわりさんこれか!

「そやな」

 

ーーーじゃあ、国家の犬もこれ?

「それは、公務員やな」

ーーーそれは公務員か

 

犬を生で見たのは初めてである。

そう言われれば、漢字のテキストにキツネっぽい生き物が描いてあった気がする。

それが犬か。感動を覚えた。

 

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これが犬か…

 

―――ごめんごめん話逸れたな。番犬どういう意味?

「家の前に犬がいてくれて、知らん人が来たら吠えて報せてくれんねん。

要は防犯のためやな」

 

―――吠えるだけ?

「そう、吠えてくれる」

 

―――吠えるだけなんや。

「だからそうやって」

 

ーーーえ?…あっ、分かった!

お前んち鍵無いんか!鍵無いんやろ!?

あるに決まってるやろ!頭おかしいんか!

 

―――ちょっと待ってな。鍵あって、鍵閉めて、怪しい人が来たら、吠える

どういう意味?意味あんの?

「意味もクソもそのままやって!」

 

番犬

極東の島国だけに残る特異な文化。

畳のヘリを踏んではいけないとか、夜中に口笛を吹くとヘビがでるとか、神仏に対する畏怖…そういった類のものなのだろう。

Kindleがあれば紙の本は要らないか?それは違う。紙には紙の良さがある。

防犯カメラや鍵があるからと言って、番犬を途絶えさせてはいけないのだ。

 

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毎日歩かせなくてはならないらしい

 

―――番犬の他には飼ってて良いことあるん?

「頭が良くて愛情表現してくれるねん」

 

―――愛情表現ええなあ!おれ自尊心イカれてるから犬飼おかな~

―――頭がいいってことは…毎晩電話してくれたり、お金を振り込ん…

 

「ワンっ!て言うだけや!」

―――え? ワンっ!て言うだけなんや……

 

「おい!バカにしてんのかさっきから!」

―――え?

 

「そういうお前はなんか飼ってんのか!

―――なんか怒ってる?飼ってるけどそれがなんや

 

「お前今すぐ帰れ!今すぐ帰ってペット連れてこい」

―――連れてきたらええんやな!ほな待っとけよ

 

「たらたら歩くなさっさと行け!

しょうもないもん連れてきたらお前、覚悟しとけよ」

 

もう決めた。絶交だ。犬を知らないだけでこんなに怒るか。

視野の狭いやつだ。骨を咥えてそこで待っていろ。

宮崎県北部の山間部でやっとこさ年の近い関西人を見つけたと言うのに。

価値観が違うならどうしようもない。

 

大音量でANARCHYを流しながら車を走らせた。国道218号線。往復で40分。

 

―――ほら!これで満足やろ!

 

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(音が出ます)

 

「……」

―――周りみんな飼ってたから犬ほど珍しくないけど、ええやろ?

 

「京都ではみんな飼ってんの?」

―――そやけど?

 

「生きてるん?」

―――そりゃ生きてるわ!死体持ってくるわけないやろ!そんな悪趣味ちゃうで

 

「え、何食べて……」

―――そんなことより可愛いとこあるから写真見てくれや

 

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これぞ名人芸

 

―――あれ?部屋おらんなー、どっかいったなー思ってな、探すやん。

そしたら木材に紛れてんの。かくれんぼのつもりやと思うねんけど。

めっちゃ可愛くない?たまらんやろ

 

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物心ついたときから一緒

 

―――ホウキある?ちょっと貸してや。

ほら、相性悪いらしくて、近づけると逃げてくねん 。

 

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――― な、ええやろ?

ちょっと可哀想やねんけどな、たまに見たくなってやっちゃうねん。

お前もやってみる?

「え…うん」

 

―――遠慮せんでええって!ほらほら!

な、おもろいやろ!

「……」

 

この日、ぼくの栗ご飯の中に具はひとつもなく、デザートも出なかった。

 

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 了

 

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動物にエサを撒いて自分で食べる

 

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「スイカ割りってどう思います?」 農家さんに聞いた