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アレグロ・コン・フォーコ

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「孫ターン」という選択 メリットとデメリットを考える

日記

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宮崎県 高千穂町

 

今年の3月、地元京都市を離れて祖父の住む宮崎県高千穂町に移住した。

将来祖父の仕事を継ぐときのために、今のうちから近くで生活する必要性を感じたからだ。田舎暮らしに慣れるのと、どういう仕事なのか少しづつ勉強していくのが目的。

 

祖父の仕事とは全く関係のない団体から内定をもらい、新年度からそこで働いている。

自己紹介の機会には「Iターン移住者」を自称していたが、あるとき訂正を受けた。

”「それって流行りの孫ターン」ですよね。”

 

孫ターンってなんですか。

 

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孫ターンが流行っている?

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Uターン」は進学・就職を機に生まれ育った場所に戻ること。

Iターン」は就職を機に縁もゆかりもない田舎に移住すること。

 

UIターンはすでに定着した感のある言葉だが、「孫ターン」は何が違うのか?

ニュースサイトを見てみると定義はこうだ。

 

孫ターン 都会で暮らしている人が祖父母の暮らす土地へ移住すること

 

移住促進に取り組む団体で5年ほど前から使われている言葉らしく、そういったカタチの移住は古くからあるのではと推測されている。

また、子育てをするために祖父母を頼って移住するパターンも多いらしい。

 

参考

http://mainichi.jp/articles/20151202/ddl/k32/040/400000c 

http://www.iza.ne.jp/topics/politics/politics-6936-m.html

 

私が孫ターンを選択したワケ

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私は大学を卒業するやいなや宮崎県北部の田舎町、高千穂町に移住した。何故か?

「神様をこの目で見たかったから」

敬愛する聖人ラーマクリシュナの言行録に、人里離れて暮らすと良いよって書いてあったから。神様の話をして過ごすと良いって書いてあったから。

都市部と比べれば神が権威を保っている高千穂で暮らせばブラフマン智を獲得出来んじゃないの?そう思ったから。

 

おまけに祖父が宮司をしていて、不思議な力を持っていると噂されるような人物。

行くしか無いぞ、と大学3回生の春休みに思い切って相談。「いいばい」とのことで移住が決定した。

 

探せ!就職先

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祖父にこれからのことを相談すると「1年間高千穂で生活して農作業や神社の手伝いしつつ、白衣の着方など基本的なことを学んで、次の年に国学院大学明階の資格を取る」ことを勧められる。特に考えもせず「そうします」と宣言したのが四回生の5月

 

「そんなんでいいわけないやろ」と親から待ったがかかったのが四回生の夏休み。大学まで出したからには普通に就職させたかったらしい。

言い分は分からなくもないし、社会経験だと思って4回生の9月、高千穂での就職先探しを始める。

 

途中で1年間学校に通うことを考えると役場は選択肢から外れるし、そもそも一次選考の締め切りは過ぎていた。藁にもすがる思いでハローワークを見てみる。

就けそうな仕事は「しいたけ栽培」か「大工」しか無かった。

 

田舎には仕事が無い

 

そんなの嘘だと思っていた。でも嘘じゃなかった

役場に電話しても仕事は紹介してもらえず、興味のあった観光協会に電話しても求人は出していないと突っぱねられた。

 

万事休すか…と思われたときに見つけたのがこのページ。

 


宮崎へのUIターンを促進するために作られたサイトで、NPOベンチャーハローワークには無い魅力的な求人がいくつか見つかった。

希望就業場所を高千穂から五ヶ瀬、日之影、椎葉、諸塚…いわゆる「フォレストピア宮崎構想」全地域(高千穂郷・椎葉山地域)まで広げ、目についたところに片っ端から電話をかける。

 

そんな行き当たりばったりの就活を続け、運良く面接までこぎつけた団体が一つだけあり、今はそこのお世話になっている。

地域づくりに取り組んでいるNPOなので、農村集落で食べていく術を学べるのが良いところだ。孫ターンするからには田舎でしか出来ない仕事を探すことを勧める。

 

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孫ターンのメリット・デメリット

京都から高千穂にやってきて2ヶ月半が経とうとしているが、感想としては快適の一言に尽きる。お祖父ちゃんお祖母ちゃんは働き者で、生活と心に余裕があるほうだから、甘えられるし一緒に過ごしても疲れない。今のところは不満は0である。

 

孫ターンの大きなメリット

自然に囲まれた暮らしができる

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これは読んで字のごとく。文字通り360度森林に囲まれた生活ができる。

突発的に山の中を歩きたくなったときは、ほら、家を出て10秒も歩かないうちに裏山である。祖父母が土地を持っている場合は、休みの日に農業の手伝いをすることも可能だ。

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しいたけの収穫

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玉ねぎの収穫

 

牧場物語のような生活が送れる

 

住まい、食事など経済的な援助が受けられる

 ・いま僕が住んでいるのは、六畳間にキッチン、トイレ、小さな書斎がついた離れ。

食事、お風呂、洗濯だけ母屋で済ませている。

一人暮らしも視野に入れていたが、大手の住宅情報サイトを見ても物件が見つからなかったことと、役場に電話相談しても「特に移住支援は行っていない」とのことだったので素直にお世話になることにした。

おまけに、移住するにあたって母屋の風呂がまるごと修繕され綺麗になり、向かうところ敵なしの環境が整った。

 

・食事に関しても、祖父母叔父さんと一緒に食べるので費用がかからないのはもちろんのこと、田舎のおいしい野菜やお肉が毎日食べられるので嬉しい。

母方の祖母なので味付けも母とあまり変わらず、その点で不満感じることはない。

 

・その他、デジイチ、ビデオカメラ、テレビ、車・原付(中古)、ハイボール用のウイスキー・炭酸、作業服が買い与えられるなど、異様なほどの物質的豊かさを得ている。

 

移住先に経済的余裕があるなら「孫ターン」はアリ

 

孫ターン(Iターン)のデメリット、実際は?

当たり前にあったものが無くなる

学生時代は毎日のようにラーメン屋、王将、牛丼屋に通っていたし、外食が好きだった。一番近い牛丼屋が車で小一時間。移住して一番困るのはそこだろうなと思っていた。

実際移住してみると、無ければ無いで困らない

特にぼくの場合は、時間的継続性が薄くて5分前の自分ですらどんな人間だったか忘れるようなタイプなので「牛丼食べたいラーメン食べたい」という欲求も忘れてしまったようだ。

近くにはホームセンターくらいしか無いけれど、amazonは2~3日で商品を届けてくれる。他に何を望めと言うのだろうか。

 

無ければ無いで欲求が消えるから大丈夫

 

友達、家族がいない

もちろん家族と別れて単身でこっちに来たのだが、ホームシックにはならなかったし、なることもないと思う。別れ際両親は涙を流していたような気がするけども、その意味についてはあまりピンと来なかった。非言語的な表現の意味を理解することが出来ないし、同じ場を共有してきたという意識もこちらとしては無かった。

友達に関してはTwitter、Lineのつながりがあればそれで満足かな、と思う。

 

こちらも無問題だが、抱える病理が浮き彫りになる。

 

田舎の人間関係に疲れる?

もともと人付き合いや空気を読むことが苦手で、京都でも浮いていたくらいだから田舎に馴染めるとはハナから思っておらず、ある種開き直りの態度をとっている。

けれども警戒していたほど偏屈な方は周りにはおらず、逆に祖父の孫ということで温かく受けいれられているので非常にありがたい。

ただ、孫という情報がなければ「あの変な服を着ている気が利かない暗い若者は誰だ?」という見方をされるんだろうなと思うことがときどきある。

(情報を開示した途端に向けられる表情が変わる)

 

開き直れば疲れないし、孫パワーで表面的には馴染める

 

給与が低い

・ 都市部の感覚で言うと職場の賃金は低くて、学生時代に働いていたレンタルビデオ屋、ラウンドワンのほうが時給は高い。最低賃金で見ても宮崎は時給693円、京都は807円と開きがあるので仕方のないことである。

しかし前項のメリットとしてあげた通り、お金に関しては祖父からおんぶに抱っこ状態なので不満を感じることはない。むしろ幸せに思う。

「田舎で人を雇える仕事を作る」ことの困難さはわかるし、所属団体への不満は全く無い。

 

・こっちに友達が一人も居ないので交際費は0円、生活を送る上でのストレスもほぼ無いため何かを衝動買いすることもない。どうしても買い物がしたい気分になったら近場のホームセンターでボールペンやガムテープを買う。おまけに趣味がインターネットと瞑想ときた。とにかくお金がかからない生活を送っている。

 

気にならない

 

おわりに

ぼくにとってはメリットしかない孫ターン

冷静に書き出してみると「どんだけ甘やかされてんねん」と自分でも思う。

楽しければいいじゃいないか。困ったときのことは困ったときにはじめて考えよう。

この生活を楽しむことが一番の孝行だと考えて、自由にぬるぬる生きることにする。

 

都市部での生活に疲れたあなた、就活で悩みすぎて頭がおかしくなっているあなた、「孫ターン」はいかがですか。ぜひともご一考ください。

 

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